地上権は、建物を建てるための物権のひとつで物を直接あるいは排他的に支配できる権利です。民法第265条にこう記されています。「他人の土地に工作物または竹木を所有するため、その土地を使用する権利である。」つまり、他人の敷地範囲の地上或いは上空、地下を利用するための権利をいいます。地下ならトンネルとか地下鉄、地上なら建物、上空なら送電線や橋等の利用が考えられ、その目的のために区分地上権を設定します。
賃借権は、民法第601条で「賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。」とあり、地主は土地を貸して賃貸料を得ることが目的なので、存続期間や地代、支払期等の設定をしなければなりませんし、借地権者は土地所有者の承諾がないと建物の建て替えや借地権の譲渡ができません。つまり、賃借権はある条件で土地を使用することを請求できる権利である債権です。
地上権も賃借権も借地権の一種ですが、賃借権の場合、地主は正当事由や賃借人の滞納等があれば、借地権者を追い出すことが法律上可能です。
一方、地上権の場合は、地代や存続期間の設定等がなければ半永久的に権利を返してもらえませんし、地上権者は自由に権利を譲渡できるので強い支配力を持ちます。
地上権>借地権なので注意が必要です。
因みに竹木とは、文字通り竹や杉、ヒノキなどの根を強く張る樹木のことで不動産物と考えたのでしょう。そうであれば草花は根が浅いので動産の部類となるのでしょうか。